ブルーローズ ~私が死んだ理由~
 それが事実なら、昇進の理由は何なのか?
 もし、その理由に教え子2人が定時制以外の高校へ進学した事が含まれてるとしたら、私が復学・進学した理由に彼は一切関係ないし、交換日記を含め、それが彼の功績として認められるのは納得がいかない。まして、彼自身が私達親子に感謝されて当然の感覚でいるならば、それこそ大きな勘違いだ。あの頃を思い出すたび、今も怒りが込み上げてくる。


 そして、最初の訪問から半年後、突然届いた佐藤からの手紙に、私は自らこの活動に終止符を打つ。


 “笹生 忍 様

 シューレでこの手紙を書いています。
 良かったのか、悪かったのか、忍ちゃんが温子ちゃんに宛てた9月5日消印の手紙を読ませてもらいました。
 忍ちゃんの好意を私達が受け止められなかった事を反省しています。たぶん、私達も人付き合いの達人ではなく迷人なので、うまくコミュニケーションがとれないのです。どんな風に忍ちゃんと仲良くすれば良いのか、迷っていました。
 子供達がシューレに来てくれない事に関しても、本当は真剣に悩んでいるのだけれど、なにしろ生来怠け者でぐうたらな、非積極的なY代表?と私ですから、なかなか実行に移せないというわけです。
 その代わり、Y代表の「誰も子供が来なくても平気」という忍耐さには感心してしまいますが…。
 本当は忍ちゃんにも活躍してもらいたいのですが、この件については「ゴメンネ」と謝るしかありません。
 親の会でも、本当にありがとう。1人に子守りを任せてしまってごめんね。…と感謝しているのですが、忍ちゃんにとっては不満もあるだろうと思いつつ、自分達がオシャベリに集中出来る環境に甘えてしまうんですね。
 時には、会話に加わってほしいと思っています。忍ちゃんが自分の経験・考えている事を話すのが嫌でなければ、私達にとっても勉強になるはずで、もし、私達の話している内容にイライラするなら、その場でハッキリ言ってみて下さい。
 今のところ、活躍があまりなくて申し訳ないのですが、シューレや親の会に来て、私達のお尻を叩いてくれたら、油のきれかけた私達も少しは動き出すかもしれません。 
< 70 / 128 >

この作品をシェア

pagetop