ブルーローズ ~私が死んだ理由~
思えば、祖父は私が生まれる前に胃ガンで、母の兄もその前に事故死、父は自殺でこの世を去っている。即ち、祖母は夫と息子・義理の息子を次々と失っているわけで、これでもし母が死ねば、祖母は孫以外の全てを、私は両親を失う事になる。
仮にそうなったとして、祖母には言葉の虐待を受けて育ったようなものだし、鬼婆と2人きりの生活など、とうてい考えられない。
私は祈った…「母を助けて下さい」と。自分は死んでもその事で困ったり悲しむ者はいないが、母が死んだら困る人・泣く人はいる。そういう人こそ、生きるべきだと思った。
皆の祈りが通じたのか、4日目には酸素マスクも取れ、飲み物も許可。5日目はミカンとおかゆにもチャレンジしたそうで、マヒした右足も足先だけは動かせるまでに回復。後遺症が残る患者も多いと聞くが、詳しい病状と先行きについては、未だ把握出来ていない。
回診のたび、質問責めにあう医師を前に、自分も母の診断結果が気になるが、人前で取り乱したり、声をかける事が出来ない私は、それをただ黙って見てるしかない。母の同僚で私とも顔馴染みの久米は、そんな私を「忍ちゃんがお母さんの面倒見てるんだから、ちゃんと聞きに行かなきゃダメでしょ!」と責めた。涙が出た。
久米の一人娘・彩の事 は、何度か子守りした経験があった。彩が「忍ちゃ~ん」と寄って来ると嬉しくて、最初のうちはオモチャやお菓子を好意で買い与えていたが、元々、我が家にそんな金の余裕はないし、弁当も持たずに朝7時から夜の8時まで、それも週に何回とか頻繁に預けられると、さすがの私もウンザリ。毎回、母から2千円をもらい、それで昼・夜2回分の食材を買いに行けば好き嫌いは多いし、1度オモチャを買い与えれば、次も買ってくれるものだと売り場を離れようとしない。子が子なら母親も全く遠慮という言葉を知らず、玄関ならまだしも、聖域である私の部屋までズカズカ入り込んできて、それらストレスから、当日の朝、嘔吐した際も「風邪かしら?」と予定通り子供を預けていくあたり、久米には以前から嫌気を感じていた。
仮にそうなったとして、祖母には言葉の虐待を受けて育ったようなものだし、鬼婆と2人きりの生活など、とうてい考えられない。
私は祈った…「母を助けて下さい」と。自分は死んでもその事で困ったり悲しむ者はいないが、母が死んだら困る人・泣く人はいる。そういう人こそ、生きるべきだと思った。
皆の祈りが通じたのか、4日目には酸素マスクも取れ、飲み物も許可。5日目はミカンとおかゆにもチャレンジしたそうで、マヒした右足も足先だけは動かせるまでに回復。後遺症が残る患者も多いと聞くが、詳しい病状と先行きについては、未だ把握出来ていない。
回診のたび、質問責めにあう医師を前に、自分も母の診断結果が気になるが、人前で取り乱したり、声をかける事が出来ない私は、それをただ黙って見てるしかない。母の同僚で私とも顔馴染みの久米は、そんな私を「忍ちゃんがお母さんの面倒見てるんだから、ちゃんと聞きに行かなきゃダメでしょ!」と責めた。涙が出た。
久米の一人娘・彩の事 は、何度か子守りした経験があった。彩が「忍ちゃ~ん」と寄って来ると嬉しくて、最初のうちはオモチャやお菓子を好意で買い与えていたが、元々、我が家にそんな金の余裕はないし、弁当も持たずに朝7時から夜の8時まで、それも週に何回とか頻繁に預けられると、さすがの私もウンザリ。毎回、母から2千円をもらい、それで昼・夜2回分の食材を買いに行けば好き嫌いは多いし、1度オモチャを買い与えれば、次も買ってくれるものだと売り場を離れようとしない。子が子なら母親も全く遠慮という言葉を知らず、玄関ならまだしも、聖域である私の部屋までズカズカ入り込んできて、それらストレスから、当日の朝、嘔吐した際も「風邪かしら?」と予定通り子供を預けていくあたり、久米には以前から嫌気を感じていた。