ブルーローズ ~私が死んだ理由~
愛されてる実感がなければ、自分も家族を愛せない。家族とも思いたくないのに、普通に親子の会話をしている自分。それが急にバカバカしく思えて、向こうが家政婦扱いするなら家政婦らしく、笑う資格もないなら笑わずにと、意識して機械的な喋りを試みるようになる。
私は毎晩のように母の寝室に外側からカギをかけ、中に閉じ込めては、増殖する心の闇に1人ほくそ笑んでいた。それでもそれは一時的な事で、本人に気付かれる事はなかったものの、ある晩、うっかり元に戻しておくのを忘れ、夜中、トイレ起きした母にこっぴどく叱られた。
払えるあてのない年金の催促状と、母が職場復帰した事で、無言のプレッシャーをかけられる。
どこにも居場所がなかった。
たまたま見つけた学歴・年齢不問の塾講師の求人に応募するも、内心、採用されたらどうしようと、心は常に不安に満ちていた。
面接は木更津で行われ、交通費は片道分しか持っていなかったものの、自分から家族と口をきく気になれず、3時間かけて歩いて帰宅。家族は「言えば、バス代くらい出したのに…」と、その健気さに涙を流す。
帰宅すると、出版社から例の所見が届いていた。一瞬、勘違いして大喜びするも、よく見れば費用のかかる協力出版での採用で、世に出す意義こそ認められたものの、企画出版にはあと一歩及ばなかった。その金額は、見積もりでざっと120万。今の自分には千円でも大きい。
悩んだ末、勇気を出して母に相談するも、返ってきた答えは、
「売れるわけがない。お前は金を出してやってもムダにする」
過去をなじるだけの否定的なものだった。
じゃぁ、今までの人生は何だったのか…マイナスでしかない。誰の何の役に立つ事もなければ、家族がこの苦しみに気付く事もない。後にも先にも、そこにあるのは地獄だけ。
唯一の希望が断たれた今、次は何を目標に生きていけばよいのだろう。同じように希望を失った成人式の時と比べ、状況は悪化している。あまりに絶望的すぎて、血だらけの自分を笑うしかなかった。
私は毎晩のように母の寝室に外側からカギをかけ、中に閉じ込めては、増殖する心の闇に1人ほくそ笑んでいた。それでもそれは一時的な事で、本人に気付かれる事はなかったものの、ある晩、うっかり元に戻しておくのを忘れ、夜中、トイレ起きした母にこっぴどく叱られた。
払えるあてのない年金の催促状と、母が職場復帰した事で、無言のプレッシャーをかけられる。
どこにも居場所がなかった。
たまたま見つけた学歴・年齢不問の塾講師の求人に応募するも、内心、採用されたらどうしようと、心は常に不安に満ちていた。
面接は木更津で行われ、交通費は片道分しか持っていなかったものの、自分から家族と口をきく気になれず、3時間かけて歩いて帰宅。家族は「言えば、バス代くらい出したのに…」と、その健気さに涙を流す。
帰宅すると、出版社から例の所見が届いていた。一瞬、勘違いして大喜びするも、よく見れば費用のかかる協力出版での採用で、世に出す意義こそ認められたものの、企画出版にはあと一歩及ばなかった。その金額は、見積もりでざっと120万。今の自分には千円でも大きい。
悩んだ末、勇気を出して母に相談するも、返ってきた答えは、
「売れるわけがない。お前は金を出してやってもムダにする」
過去をなじるだけの否定的なものだった。
じゃぁ、今までの人生は何だったのか…マイナスでしかない。誰の何の役に立つ事もなければ、家族がこの苦しみに気付く事もない。後にも先にも、そこにあるのは地獄だけ。
唯一の希望が断たれた今、次は何を目標に生きていけばよいのだろう。同じように希望を失った成人式の時と比べ、状況は悪化している。あまりに絶望的すぎて、血だらけの自分を笑うしかなかった。