ブルーローズ ~私が死んだ理由~
たまたま感心を示した自称元教師とは、コピー代目当てに会う約束までし、「出版化に向け、最後まで協力する気はあるのか? 中途半端に優しくしたら、恨みますよ」と脅したら、怖じ気づいたのか、会う前に逃げられた。
月2万の収入では120万は程遠く、親戚が来れば姿も見せずに自室にこもり、
「挨拶にも来ないで、どういう躾をしてるんだ。こんな所、来たくもない」
客に言いたくもないセリフを言わせては、表向き「だったら来るな」と反論してはくれる家族に泣いてせがまれ、祖母の「ちょっと顔出して挨拶すれば、おじさんだって喜んで金くれるでしょうよ」に、金の誘惑がちらつきながら、そういう所だけは頑固に従おうとはしなかった。
やがて夏になり、受験生を中心に生徒が増えた事で、新たに中学生(数学)の担当が決まる。その出始めとなるのが、中学2年のS君と3年のT君だった。
初回はただ緊張の連続で、自分が未だ中学生気分のせいだろうか? 不覚にも異性として意識してしまい、消極さもあってか、極端に物静かな授業に終わった。
翌日、その事で学院長直々に連絡があり、「冷たい・笑わない・話さない・温かみがない・自己紹介もしなかった」と、速攻、苦情があった事を知らされる。それも、生徒自身が「あの先生なら行きたくない」と、事態は思ったよりも深刻な状況だった。
これにはさすがに、中学生相手にオモチャというわけにもいかず、私は考えた末、2人と、その保護者に手紙を書く事にした。フレンドリーで温かみのある指導をうたった塾側に落ち度はなく、全て私の責任だと、努力はするが、適任と思えない場合には担当を外されてもかまわない事。イジメが原因で不登校になったが、地元のA高に進学出来た事。……弱い自分をさらけ出す事で、勉強以外の助けにもなるよとアピールしたつもりだった。
だが、この2人はともかく、その後、担当した中学生は尽く担当を外され、中には、覚えの悪い生徒に行った無償の居残りが、生徒本人には苦痛だったらしく、そのまま担当を外されるという事もあった。
月2万の収入では120万は程遠く、親戚が来れば姿も見せずに自室にこもり、
「挨拶にも来ないで、どういう躾をしてるんだ。こんな所、来たくもない」
客に言いたくもないセリフを言わせては、表向き「だったら来るな」と反論してはくれる家族に泣いてせがまれ、祖母の「ちょっと顔出して挨拶すれば、おじさんだって喜んで金くれるでしょうよ」に、金の誘惑がちらつきながら、そういう所だけは頑固に従おうとはしなかった。
やがて夏になり、受験生を中心に生徒が増えた事で、新たに中学生(数学)の担当が決まる。その出始めとなるのが、中学2年のS君と3年のT君だった。
初回はただ緊張の連続で、自分が未だ中学生気分のせいだろうか? 不覚にも異性として意識してしまい、消極さもあってか、極端に物静かな授業に終わった。
翌日、その事で学院長直々に連絡があり、「冷たい・笑わない・話さない・温かみがない・自己紹介もしなかった」と、速攻、苦情があった事を知らされる。それも、生徒自身が「あの先生なら行きたくない」と、事態は思ったよりも深刻な状況だった。
これにはさすがに、中学生相手にオモチャというわけにもいかず、私は考えた末、2人と、その保護者に手紙を書く事にした。フレンドリーで温かみのある指導をうたった塾側に落ち度はなく、全て私の責任だと、努力はするが、適任と思えない場合には担当を外されてもかまわない事。イジメが原因で不登校になったが、地元のA高に進学出来た事。……弱い自分をさらけ出す事で、勉強以外の助けにもなるよとアピールしたつもりだった。
だが、この2人はともかく、その後、担当した中学生は尽く担当を外され、中には、覚えの悪い生徒に行った無償の居残りが、生徒本人には苦痛だったらしく、そのまま担当を外されるという事もあった。