イケメン5人のお姫様
「あ、いいこと思いついた。おいで。」
ケータイをパタンと閉じると、あたしの手をひいて立った。
「え、ちょ、待……っ!」
「待たない、早く。」
ずんずん進む聖に、こけそうになるあたし。
聖は、ある一つの部屋に入って行った。
龍瀬くんの前の部屋。
バタンと音がなって、扉が閉められる。
妙に緊張してるあたしは、その音にビクッとした。
「え?何?緊張でもしてるわけ?」
だ、だってさ…
男の人の部屋とか初めて入ったわけだし。
緊張するよ、ちょっとは!
「大丈夫、なんもしねぇし。」
「う、うん…。」
「してほしい、って言うんなら話は別だけど。」
「い、言わないもんっ!」
必死になってそういうあたしに、フッと笑って
「可愛いな…」
そう言って微笑んだ。
自分でもわかるくらい、顔が暑い。
それは、聖が言ったことでなのか、あの微笑みでか、わからない。
もしかしたら…二つともかも。
それくらい、カッコイイ微笑みだった。