イケメン5人のお姫様



「なんでもええけど、3秒以内にそこから退かないと、桃香と喋ること禁止。」

「わー!退きます退きますってぇ!!」


急いで部屋を出ていく陸と、それを見てため息をつく健斗。


「ごめんな、なんか。」

「ううん、大丈夫。それより、助けてくれてありがとう!」

「いえいえ。俺は桃香を守るのが昔からの役目やから…」

「え…?」

「いや、なんもない。こっちの話や。そんなことより!はよしな遅刻すんで!」



手を頭にポンッとおいて微笑むと、あたしに背を向けて、部屋を出ていく。

健斗はうまく躱したけど、気づいたよ?
悲しそうな瞳をしたのを…
ちゃんと見てたよ?
あたしを守るのが昔からの役目?
どういうこと…?
…いつか教えてくれるよね……?

そう思いながら、そっと健斗の背中を見つめた。


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