Stare Melody
葛城が突然椎名に駆け寄る。
「クッキー作ってきたんで、食べて下さい!あ、皆もどうぞ。」

……お前は女子か!オレらはついでか!

「ありがとう。」
「俺も作ってきたんだぜ?」
柊もタッパーを取り出して配る。結奈は周りに花を飛ばしながら、桜ちゃんに言った。
「柊くんの作るお菓子、凄く美味しいんだよ!」
「本当?ありがとうございます。」
彼女はそう言うと、一口パクッと食べたら目を丸くした。「美味しい!」という声が心なしか弾んでいる。
「それは良かった。」
そういう柊も嬉しそうに口元を綻ばせている。そんな彼が持つタッパーからお菓子を幾つも持っていく男が。
「相原。」
「ふわぁいっ!」
口に詰め込みながらの返事。

……お前何してんだ、いつもの貴公子面はどうしたよ。

「ズルい!私もー」
結奈が負けじと食べる。

……お前ら、メインが食べないでどうするよ。

「「いいの。」」

……いや、良くない。
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