Stare Melody
「しーくん!」
「椋ちゃん、ただいま。」
先に嬉しそうな声で入ってきた女の子が、中本結奈(なかもとゆいな)。オレの幼なじみだ。
長い柔らかな茶髪に、クリクリとした大きい目。小さな所為で保護欲が擽られる。こいつもそこそこモテる。(因みに、この学校での"モテる"は、異性とか同性とか関係無い。共学なのに!確かに男子多いけど!)
結奈の後に入ってきたのは、生徒会会長の桐山柊(きりやましゅう)。椎名や葛城とはまた違った意味でテンションが高い。でもオレの友達だ。見た目はパッとしないが、話術に長けていて、その魅力は多分椎名に劣らないだろう。一緒に居て笑いが絶えないから、ずっと居たいと思えるくらいだ。
「おかえり、結奈、柊」
「あれ、副会長さんはまだなんですね」
「先生に呼び出されてるよ」
結奈はそう言うと、ソファに座るオレに気付いたようでこっちに来た。
「隼、どしたの?」
「あんたんとこの会長さんに呼ばれたんだよ。で?」
目線を柊まで持っていけば、奴は笑って言った。
「おう、お前を生徒会役員にしたい。つってもポスト空いてないから、結奈と同じ補佐役だけどな」
「何で急に……」
「やるのか、やらないのか?言ってくれないと俺らの企業秘密は言えないんだ」
気付けば、皆の視線がこちらを向いている。うう、辛い。
「暇だから別に良いけど、何?」
「隼ならやってくれると思った!早速だけど、実際にやりながら説明するわ。椋ちゃん、今日の依頼は?」

……依頼?

「今日のは……苛められてます、助けて下さい、やって。ウチのクラスの駒沢やんか。」
「最近恋愛と喧嘩や苛めばっかりやないですか。」
「仕方ない、やるのが何でも屋"白春(はくしゅん)レンジャー"だからな。」

……白春レンジャー?

若干頭がパンクしそうになっていると、椎名がふっと笑った。
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