続・俺の天使

家に帰ってもあの表情だけが頭をまわる。

辛そうで苦しそうで。
今にも崩れてしまいそうな。
そんな表情で悲しみが溢れていた。


「俺がなんかしたのかよ…っも、かぁ…」


萌香にあんな態度とられたのは初めてだった。

冗談とかで冷たくされたり冷ややかな視線を向けられたりはあった。
でも、心は見えてたから。
楽しんでいるんだってわかったから。

だけど…今回は違う。
心なんて見えない。
萌香が何を感じ何を想っているのか。


ガチャ


「…チッ」


兄貴だ…
なんで兄貴は最悪なタイミングで現れるんだ。


「あれ?遥樹じゃん。
 どうしたんだ?
 お兄ちゃんが聞いてあげるよー」


ぜってー俺と萌香との間になんかあったって見破ってやがる。


「なんでもねー」


俺はそう言って自分の部屋に戻ろうとした。




「苦しいのはお前だけか?」





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