I've seen you!
途切れ途切れに、会話は続く。
「部活とかやってんの?」
「一応、女テニ」
「へぇ。今日は休みかなんか?」
「まぁ、そんなトコ」
小さな街を見つめながら、ぽつり、ぽつりと。
「泉高に友達いるんだけど。マサキって知ってる?杉山正樹」
「あ、知ってるわ。普通に隣のクラス」
何十秒ものインターバルを挟んで、あたしと三浦悠真は少しずつ言葉を重ねた。
彼が2年B組で、マサキの隣のクラスで、陸上部で、英語が嫌いで、体育が好きなことが分かった。逆に、彼にはあたしが2年1組で、テニス部で、英語が嫌いで、数学も嫌いなことを伝えた。
ただ、お互いの名前は何故だか聞かなかった。
お互い名前を知らないまま何となく仲良くなって、そのまま名前も知らないまま付き合いが続く、なんて、あたしの中ではよくあることで。
塾でたまたま隣になった他校の友達とか、職員室の掃除で一緒になった3年生の先輩とか。
そういうものだ。自分から名乗るのも相手に改まって名前を聞くのもなんだか恥ずかしい。
そもそも、彼が三浦悠真という名前であることはもう知っているし。それに名前なんて呼ばなくても会話くらいできる。
「部活とかやってんの?」
「一応、女テニ」
「へぇ。今日は休みかなんか?」
「まぁ、そんなトコ」
小さな街を見つめながら、ぽつり、ぽつりと。
「泉高に友達いるんだけど。マサキって知ってる?杉山正樹」
「あ、知ってるわ。普通に隣のクラス」
何十秒ものインターバルを挟んで、あたしと三浦悠真は少しずつ言葉を重ねた。
彼が2年B組で、マサキの隣のクラスで、陸上部で、英語が嫌いで、体育が好きなことが分かった。逆に、彼にはあたしが2年1組で、テニス部で、英語が嫌いで、数学も嫌いなことを伝えた。
ただ、お互いの名前は何故だか聞かなかった。
お互い名前を知らないまま何となく仲良くなって、そのまま名前も知らないまま付き合いが続く、なんて、あたしの中ではよくあることで。
塾でたまたま隣になった他校の友達とか、職員室の掃除で一緒になった3年生の先輩とか。
そういうものだ。自分から名乗るのも相手に改まって名前を聞くのもなんだか恥ずかしい。
そもそも、彼が三浦悠真という名前であることはもう知っているし。それに名前なんて呼ばなくても会話くらいできる。