I've seen you!
彼は華奢な身体を屈めて、足元のバッグを手に持った。その中から出てきたのは、小さな横長の白い箱。ピンクと緑のリボンで、綺麗に包装されている。
「何、ソレ」
「プレゼントだよ、誕生日の」
「わっ…」
三浦悠真は白い小箱をぽいっとあたしの方に放った。彼のすぐ隣にいるあたしだったけど、突然のことで危うく屋上から下へ落としそうになった。
「ネックレス。安いけど。キミなら似合いそう」
笑いながら、そんな事を言ってくる三浦悠真だったけど、その声はやっぱりどこか寂しげで、哀しげだった。
「そんな…受け取れない、こんなの」
「─頼むよ」
突然真剣になってあたしの顔を見つめてくる三浦悠真に、あたしはちょっと動揺した。
「持ってても、辛いんだ。捨てることも出来ないし」
またあたしの胸が、チクリと痛んだ。あたしと同い年のこの人が抱えている、果てのない苦痛と寂寥と悲哀の欠片。それが、またあたしの中に少しだけ流れ込んできたようだった。
「…持ってても、思い出しちゃうだけだからさ」
三浦悠真の澄んだ黒い瞳を見て、あたしは思う。一体どれほどの悲しみを受け止めれば、彼のような表情が生まれるんだろう。
ただ、その表情というのがなかなかどうして、どうしようもなく魅力的で、あたしは受け取ったプレゼントと彼の顔を、交互に見比べることしかできなかった。
「何、ソレ」
「プレゼントだよ、誕生日の」
「わっ…」
三浦悠真は白い小箱をぽいっとあたしの方に放った。彼のすぐ隣にいるあたしだったけど、突然のことで危うく屋上から下へ落としそうになった。
「ネックレス。安いけど。キミなら似合いそう」
笑いながら、そんな事を言ってくる三浦悠真だったけど、その声はやっぱりどこか寂しげで、哀しげだった。
「そんな…受け取れない、こんなの」
「─頼むよ」
突然真剣になってあたしの顔を見つめてくる三浦悠真に、あたしはちょっと動揺した。
「持ってても、辛いんだ。捨てることも出来ないし」
またあたしの胸が、チクリと痛んだ。あたしと同い年のこの人が抱えている、果てのない苦痛と寂寥と悲哀の欠片。それが、またあたしの中に少しだけ流れ込んできたようだった。
「…持ってても、思い出しちゃうだけだからさ」
三浦悠真の澄んだ黒い瞳を見て、あたしは思う。一体どれほどの悲しみを受け止めれば、彼のような表情が生まれるんだろう。
ただ、その表情というのがなかなかどうして、どうしようもなく魅力的で、あたしは受け取ったプレゼントと彼の顔を、交互に見比べることしかできなかった。