キスよりも深 く -13歳の彼と-
いきなり立ち止まった美鶴くんの背中に、ぼーっとしていたあたしは必然的にぶつかる。
「あ、ゴメンっ」
「大丈夫だよ」
爽やかに言った美鶴くんの後ろに広がる大きなお家。
お城みたいなお家。
え……っ!!?
これが美鶴くん家!?
超お坊ちゃまじゃな~~いっ♪
「あ、家ここだよ」
美鶴くんが指を指した先には…
お城みたいな家ではなく、その隣に立つ普通の二階建てのおしゃれな一軒家だった。
お城見てからだと……
感動薄れるわ~~~!!
「おっしゃれ~♪ いいなぁ」
そんなことを言いながら…
感動薄れたなんて、これっぽっちも思ってませんよオーラを出して家へ上がらせてもらう。
美鶴くんの匂いがする家。
あぁ~……
持ち帰りたい。
袋持ってくればよかったな。
なんて、真顔で真面目に考えてしまった。
ハイ、変態です。