君とみらいへ
意外な一面
受験生にとって大きな壁の一つ、夏休みがやってきた。
一ヶ月以上ある休みの日も、毎日机に向かうとなるとうっとおしいものでしかない。
しかも毎日えんえんと続く暑さに体力が奪われてしまって、とても勉強する気にはなれない。
「うーあつい…」
奈緒は全く風が入ってこない窓から顔をだしてぐったりとした。
「おい箕輪!集中しろ!」
バシン!!
「痛っ!」
はたかれた頭を押さえながら振り返ると、教科書を持った先生が腕を組んで仁王立ちしていた。