うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
「だってコイツにゃあにそっくり………。」
気づいたんじゃないのか…………。
無駄な期待にがっくりだった………。
「あぁ……にあちゃんか。………そう言われると似てるかもな。」
夜パパはそう言うとあたしを見て、フ…と笑った。
切れ長の瞳が和らいで………それはやっぱり夜によく似ていて、なんだかちょっと親しみやすく感じた。
「…………ニァー…。」
頭を撫でてくれる大きな手が心地よくて、甘えるような声が出た。
「………!………薄情モノー…。ハルなんかになつくなー。」
「………!」
夜は本気でムッとした顔をしてあたしを抱き上げると鼻先をちょんとつついた。
「…………なんかとはなんだ…………。だいたい、猫で妬くな。」
「ハルには言われたくねーし。………行くぞ、チビにゃあ。」
夜はパパにそう言って舌をちょっと出すとさっさと病院を後にした。
「あー…何か汗かいた。…………一緒に洗ってやるからな?」
「…………!!?」
そ…それってどういう意味ですか…………………!!?