うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
それから…………シーツにくるまったあたしは、夜にぎゅうっと抱き締められて眠った…………………。
夜の胸に顔を寄せて、ドキドキと規則正しく動く心臓の音が妙に心地よくて…でも、ドキドキして…………
不思議な不思議な気持ちだった……………。
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あったかくて気持ちいい…………
まだ起きたくないけど……でもそろそろ起きなくちゃ………
「……………。」
ここ…………どこ……………?
まだぼんやりする頭でそんなことを思う。
ちょっと身動ぎしたら、パサリ…とあたしの上から何かが落ちた。
「…………?」
見ればそれは制服のブレザーで…………
「…………起きたか?」
「………?」
その声にゆっくりと頭を正面にして………
「……………夜………?」
あたしを見下ろす、黒い瞳と目が合った………………。
「………………え………??」