うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
「…………なんだ、まだ寝ぼけてんのか……?」
夜はそう言うと…目をぱちぱちさせて未だに状況ののみ込めていないあたしを見て、フ…と笑った。
あれ………?
なんであたし……夜の顔が横向きに見えるの……………??
そして、見下ろされて………………
チラリ…横目であたしにかけられていたブレザーを見る…………。
それとおんなじ生地の布が……………あたしの枕になってませんか…………?
スラリとベンチから伸びるそれは夜の長い足で………………
つまりは…コレ…………………膝枕……………???
「~~~!!?」
「…………ん?」
ガバッ!と起き上がってみれば、あたしは夜の膝に手をついていて…………!
間違いなく、夜の膝枕で寝ていたようだった……………。
そして、ばちりと合う視線…………。
夜は実に面白そうにあたしを見ていた。
あれ…あれ…あれーー……???
あたし、夜の家にいなかった………?
目覚めたあたしがいたのは……………
学校の…………いつもの中庭だった…………………。