うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
甘いモノ大スキだったらいいよ。
でも俺大キライだもん。
つーか、なんでチョコなわけ??
なんでビーフジャーキーとかじゃなかったんだろー?
「………なぁ?嵐(ラン)。そー思わねぇ?」
「………。」
俺の話を隣で無言で聞く幼なじみに問いかけた。
「~~~っ…ざっけんなよ………!!?バレンタインデーに誰が好んでビーフジャーキー貰うか!!
そんなの愛の日とは言わーーんっ!!」
「…………ナニソレ。」
席から立ち上がって愛の日とか言ってる嵐を寒ぅ…なんて思った。
「………バレンタインデーだぞ?女の子達が心を込めたチョコをくれる実に素晴らしい日だ。」
持参した紙袋いっぱいのチョコをぽんぽん叩きながら、嵐は嬉しそうだった。
「…………いいなぁー。タラシは。……俺より楽しみ多そうだ。」
思ったままに言ったら、嵐のこめかみがぴくぴくしてた。
「これだから女のおの字も興味ないお子様は………。おまえさぁ、うちの中学一モテるんだよ?
なんで誰とも付き合わないんだよ?」
「…………。」