うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
★子猫が気になるその理由~木の上の子猫~side夜
「ハルー、うさがご飯だってー……今日の患者チビ猫?」
「…………お父さんだ。」
家の隣に隣接された動物病院に、診察時間が終了しても中々帰って来ないハル…おとーさんのお迎え。
そこで診察台に横たわる白いチビ猫に目がいった。
「………チビ猫は死なせたらダメだぞ。
助けろよ、ハル。」
弱々しい姿に思わずハルの顔を見た。
「…………おまえに言われなくても助けてやる。
それにしても、他は大して興味ないくせに…子猫には妙に肩入れするな?」
ハルは俺とそっくりな顔で、当たり前だと言いながら…興味深そうに俺の顔を見た。
「………そーだっけ?……チビ猫ってにゃあに似てるからじゃねぇ?」
言われて初めて気がついて、だったら理由はそれだろうと…可愛くて堪んない彼女を思い出す。