うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
「………なんであんなとこに………?」
見上げながら不思議に思ってたら………
…………パタリ
「…………あ……?」
おれのほっぺたに落ちた…雨みたいな雫……………
―――瞬間
持ってたボールを落として
クスノ木に足をかけた。
「ふぇ~……」
「…………見つけた。」
「………!?」
たどり着いた木の上には、
可愛い子猫と、
子猫みたいな可愛い女の子が…………
涙いっぱいのおっきな目を見開いて、
びっくりした顔でおれを見てた。
「…………泣くな。め、とけちゃうぞ?」
「………!」
きらきらした目はきれいだったけど
泣かないでほしいと思った。