うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
「ほんとに困った子………。嵐ちゃんいなかったら学校なんて行けてないよ。」
呆れたようにそう言って、夜の布団から飛び出た黒い髪を白くて細い指でツンと引っ張って………
彼女は俺に向かって微笑む。
夜と同じ…吸い込まれそうな黒い瞳を見るとどうしようもなくドキドキした。
赤ちゃんの時から付き合いのある、俺と夜。
親どうしが親友どうしで、家族ぐるみの付き合い。
だから………
いつから白羽ちゃんを好きになったのか…………覚えてもない。
いつも
柔らかな笑顔の優しい女の子。
恥ずかしがりやで驚くほど純粋な人。
彼女の傍はほっとあたたかい………。
気づいた時には…いつも少しでも一緒にいたいって………
…………好きになってた。