うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
「ふぁ~……。ダル~い………。」
それから30分後
やっと布団から出てきた夜と二人で学校に向かう。
夜は未だにぼんやりしててアクビまでする始末だった。
「…………おまえ隣のクラスのリンカちゃんに告白されたんだって?」
夜はとにかくよくモテる。
かっこいいお父さんにそっくりの夜はめんどくさがりだろうとなんだろうと…
毎日女の子達から騒がれまくっていた。
「さー?そんなことあったかなー?」
「…………。」
当の本人はまるで興味がないからいつもこの調子………。
むしろウザいと言って群がる女の子達を相手にもしない。
俺もそれなりにモテるけど、白羽ちゃん以外に興味もないから…告白は全部断ってる。
俺も夜もクラスの中では結構浮いた存在だと思う。
クラスメートみたいにきゃーきゃーはしゃぎもしないし、
二人揃って身長もみんなより頭一個飛び出てるから目立ちもする。
俺からしてみたらクラスメートはどこか子供で…あんまりそりが合わなかった。
他人に対してことごとく興味を持たない夜に至っては、そんなことすらどうでもいいことらしいけど。