うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
「…………いっ、いきなりなんだよっ!?
おまえ…今までそんなこと言ったことないじゃないか………!」
「…………。」
他人の恋愛事情にだって興味を示さない夜は、弟だからってこの話しを持ち出したことはただの一度だってなかった。
そんな夜が…………
いきなりそんなことを言い出すから……………
俺は慌てていつも夜からタレ目って言われる目を思いきり見開いた。
だって、急に言われてはいそうですか…なんて言えることじゃない。
だって…………ほんとにずっと…………大好きな人なんだぞ…………?
聞いても夜は黙っているばかりで………
なんでも包み隠すことのない夜が、そんな態度なのも………おかしくて…………
俺はただただ……戸惑うばかりだった……………。