うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
「…………最近ハルが変だったんだよな。
しろうさも変で…急に変なこと言ったり、ぼんやりしてたり………。
…………そしたら、昨日しろうさに彼氏出来たってわかった。
昨日も送って来たんだ。咲夜(サクヤ)が……」
まるでそこを定位置と言わんばかりに、ベッドの上に胡座をかいて、下にいる俺を見下ろしながら夜が喋る。
あぁ…昨日は俺の方が委員会があって、珍しく別々に帰ったんだっけ…………。
ぼんやりとした頭で、そんなことを考えた。
あれから………呆然とする俺は、夜に引っ張られるように夜の部屋に来て白羽ちゃんの話を聞いていた………。
「…………咲夜はしろうさをちょー大事にしてる。
しろうさは頭ん中咲夜でいっぱいなんだ。
………だからヤメロって言った……。」
珍しく歯切れ悪く言って…夜は少し俯きがちになっていた。
それを見ていたら………
あぁ……俺ってば失恋したんだなぁ…なんて思った。