うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~








呆気ないな……そう思った。



白羽ちゃんはほんとに綺麗で…性格までいい…………。



今まで彼氏がいなかったのだって不思議なくらいなんだから………。



でも………



「…………なんで俺……4つも年下なんだろ……………。」



………そう思わずにはいられない………。



「…………嵐?」



俯く俺に夜が少し心配そうな声を出す。



俺の頭の中は………白羽ちゃんと揃いの制服を着た、カッコイイ彼氏が浮かんでいた。



白羽ちゃんより思いっきり背が高くて……同じ歳の人………。



ズルイじゃないか。



俺は……絶対、あんたより長く想ってきたのに…………。



ずっとずっとずっと………白羽ちゃんだけを好きだった。



だけど、彼女が俺を《弟》以上に見てくれることなんてなかった。



…………こんな…年の差なんて、あるから。









あーあ……そっか…………失恋、か……。












この気持ちを伝えもせずに……………俺の恋は終わるのか…………………………。













早くガキを卒業したいな……………。










< 64 / 99 >

この作品をシェア

pagetop