うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
呆気ないな……そう思った。
白羽ちゃんはほんとに綺麗で…性格までいい…………。
今まで彼氏がいなかったのだって不思議なくらいなんだから………。
でも………
「…………なんで俺……4つも年下なんだろ……………。」
………そう思わずにはいられない………。
「…………嵐?」
俯く俺に夜が少し心配そうな声を出す。
俺の頭の中は………白羽ちゃんと揃いの制服を着た、カッコイイ彼氏が浮かんでいた。
白羽ちゃんより思いっきり背が高くて……同じ歳の人………。
ズルイじゃないか。
俺は……絶対、あんたより長く想ってきたのに…………。
ずっとずっとずっと………白羽ちゃんだけを好きだった。
だけど、彼女が俺を《弟》以上に見てくれることなんてなかった。
…………こんな…年の差なんて、あるから。
あーあ……そっか…………失恋、か……。
この気持ちを伝えもせずに……………俺の恋は終わるのか…………………………。
早くガキを卒業したいな……………。