うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
なんか………超疲れた…………。
大して良くもない気分と妙にダルい腰を押さえながらノロノロと家まで歩いてたら、
「…………夜?」
道に座り込んで子猫を撫でる夜がいた。
「…………なに?嵐。
……おまえここ痣あるぞ。なにそれ、ビョーキ?」
夜はそう言うと自分の首筋を指差した。
「…………!?」
俺はソレが何か思いついて…自分の首を慌てて手で押さえていた。
『長くて綺麗な首ね………?キスマーク…つけてあげる…』
女の声が蘇る。
…………吐き気がした。
「……………嵐…?」
「…………っ!」
急に座り込んだ俺に、夜が同じように座り込んで心配そうな声で俺を呼んでいた……。
その声にハッとして、俺はなんとか顔をあげた。
「…………うちで休んで帰れ。
おまえマジ顔色悪すぎ。」
「……………悪い…。」
夜に腕をグッと引かれてやっと立ち上がった。
夜………俺、もう戻れないよ…………。