うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
開いたドアから現れた今も変わらず綺麗すぎる人を前に思わず立ち尽くした。
本物の…白羽ちゃん…………。
俺の
…………初恋の人。
「久しぶりねぇ!夜に会いに来たの?」
「………あ、……そう。変わらないね?白羽ちゃん………。」
なんとか愛想笑いを浮かべ…いっそ、変わっててくれたらいいのに……………そう思った。
ふんわりと笑う笑顔も…綺麗な声も……何一つ変わることがなくて………
馬鹿な俺の胸は、まだ………締め付けられる。
「…………出かけるの?」
可愛い彼女のさらに可愛らしい姿に……それがわかった。
「う、うん…。約束があって………」
わかりやすく染まった頬が、それを核心に変えた。
「咲夜さんとデートかぁ~。
相変わらず仲がいいねー?」
俺も知ってる彼女に似合いのかっこいい彼氏の名前を冗談めかして言った。
「やだなぁー…嵐ちゃん、お姉さんをからかわないで!」
「あはは!………白羽ちゃんにお姉さんとか似合わないから。」
軽口を叩いて彼女から視線を外した。