うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
難しくない。
実はもっとシンプル。
……………そうだ
ほんとは
気づいてた………。
俺が大人になったって…………白羽ちゃんとの気持ちの差は埋まることはないんだって…………。
簡単だ。
白羽ちゃんの好きな人は咲夜さんで………それは例え俺が同じ歳でもきっと変わることはないというのに。
あの時、
あまりにも絵になる二人を見て…………
彼女の隣にいる自分を想像してみて、あまりにも不釣り合いな子供の自分が恥ずかしくなったんだ…………。
こんなにもずっと好きなのに……追いかけても埋まらない年の差のせいにした俺は
…………やっぱりただの子供っぽいガキだった。
癇癪を起こして………早く大人になりたいと思って……自分の身体を投げ出した。
どうでも良くなった。
でもそうじゃなくて……
今でもダラダラと気持ちを引きずるほどに好きな彼女に向き合って……………
目を見て告白して……………
…………玉砕でもすれば、よかったんだ。
今も綺麗な俺で………向き合えただろうのに。