うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
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「…………。」
高校の屋上にある貯水槽にもたれかかって晴れ渡った青空を見上げた。
入学式に相応しいなんていい天気。
もう高校二年生か…………。
ほんとは女の子に囲まれるのが嫌でいなくなった夜を探しにきたんだけど………
綺麗な青空を見ていたら我が身を呪いたくなって、なんかキラキラした新入生とか見たくなくなったんだよな……。
でも………もう今更だよな………?
どーせもう変わんないんだからさ…………。
綺麗な俺は、小学校の保健室のベッドに消えたわけだよ。
「…………。」
起き上がってグッと背伸びをした。
さぁて………我が幼なじみを探しにいくかな…………そう思った時……………
「……………ぁ!どこなのっ!?
……にあーー!」
「…………?」
……………どこからか聞こえてくる、必死の女の子の声。
そのあまりに必死で…………だけど、凛と清んだ声に………
………なんだか強烈に惹き付けられた。
……………やっぱり天性のタラシなのか………?
サイテー俺~…。
……………とかね~。
俺は……幼なじみじゃなくて、声の主を探しに屋上を後にした。