うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~
「…………別に悪いところはなさそうだ。」
次にあたしが連れて来られたのは、夜の自宅の隣に隣接された動物病院で…………
夜とそっくり!なイケメン先生からあちこち触られ診察を受けた。
「ありがとー、ハル。」
夜は先生からあたしを受け取るとニコリと笑ってあたしの頭を撫でた。
「…………お父さんだ。………どうしたんだ?この子猫は………」
あたしを見つめるイケメン先生は夜のパパだ。(ママもだけど…へたしたら兄弟に見える)
「学校にいた。………しがみついてみーみー鳴くから連れて来た。」
夜はあたしをぐりぐり撫でて笑顔でパパにそう言った。
「…………おまえな…………。まぁ、見たところ首輪もしてないけど、飼い主が出て来たら返すんだぞ?」
パパは、はぁー…とため息をついたあとあたしの頭を優しく一撫でした。
「…………飼い主なんかいねぇよ?コイツ俺のチビにゃあだし。」
「………!」
夜のセリフに驚いた。
まさか、あたしに…き、気づいてくれた…………!?
「おまえはまた…………。しかもなんだよ……チビにゃあってのは………。」
パパは疲れた顔で夜を見て、つっこんだ。
夜は見た目パパにそっくりだけど、中身はまるきり正反対だ………。