死のスケッチブック
それらが違和感なく、店内にそろっている。

「古くからあるようだが、店名は変えたのか?」

「いいえ、創立当時から変わっていません」

「変えることをオススメする。あまり良い名とは思えないが?」

「そうですか? 気に入っているんですけどね」

「ちなみに何て読むんだ?」

「あんやそう、です。闇の夜を想うと書いて、そう読みます」

「何を思って名付けられたんだが…」

「それはウチの商品のイメージにピッタリだから、ですよ」

そう言われて、真名は周囲の商品を見回した。

「古い…という意味か?」

「まあそんなものです」

「ふぅん」

店内には真名と魅弦の二人しかない。
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