死のスケッチブック
「良い物に目を付けられますね。その指輪の石は、『呪いのダイヤモンド』と申しまして…」

「もういい」

青い顔で説明を遮り、何かまっとうな物はないかと探した。

さっきの二つは見た目にも古そうだった。

ならば新しい物であれば、大丈夫かもしれない。

そう思い、今度は腕時計を指さし、魅弦を見た。

何も言わずとも気付いたらしく、説明を始めた。

「ああ、それは特注の腕時計です。世界に一つしかないんですよ」

「そうなのか?」

「ええ、何せオーダーメイドですから。作られたのは日本でして、その腕時計一本を残し、お店が火事で全焼…」

「だーっ! この店にはそういういわく付きの代物しかないのか!」
< 13 / 77 >

この作品をシェア

pagetop