死のスケッチブック
「実花…」

真名は手紙を封筒に入れて、スケッチブックを手に取った。

それはどこにでも売っていそうなスケッチブック。

しかしその中身は、死体の絵でいっぱいだった。

顔をしかめながら、それでも真名はページを捲り、目的の絵を探した。

そして見つけた。

実花と同じ制服を着た三人の女の子達が、全身から血を流して倒れている絵を。

そして刑事から聞いた話を思い出した。

今から十日ほど前、ビルの建設現場で三人の女子高校生が亡くなった。

三人は現場近くを歩いていたところ、上から鉄骨が降ってきて、彼女達の体に当たった。
< 28 / 77 >

この作品をシェア

pagetop