死のスケッチブック
さすがの魅弦も苦笑しながら、白いハンカチで真名の口元を拭いた。

「ん~」

されるがままになっていた真名だが、拭き終わると笑顔を浮かべた。

「ありがとな」

「不思議な人ですね。大人なようで子供の一面を持つ。学校ではおモテになるのでは?」

「生憎と恋愛には興味ない。骨董品を見てたり、美味い菓子や飲み物を食していた方が心が落ち着く」

真顔になり再び茶を一口飲み、深く息を吐いた。

「…緊張が取れたようですね」

「まあ…な。それじゃあ、手付金として、語ろうか。このスケッチブックのことを」

「ぜひお願いします」

そして真名は語って聞かせた。

まず、学校の友達から聞いたスケッチブックの都市伝説のこと。
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