死のスケッチブック
スケッチブックの持ち主となれるのは、強い憎しみの心を持つ人間のみ。

スケッチブックに憎い相手の死体を描けば、その相手は描いた通りに亡くなる。

描く時には赤い色を使わなければならない。

しかし描いた相手が亡くなった後、殺された憎しみをスケッチブックは吸い取る。

持ち主はそれを見ることができてしまう。

やがて持ち主は精神的に耐え切れなくなり、自ら命を絶つ絵を、このスケッチブックに描き、亡くなってしまう。

「…と言うことか?」

「ご名答! 素晴らしいですね」

魅弦は感心した表情で、パチパチと手を叩く。

…軽くバカにされている感じもしなくもないが、説明疲れで真名は目で睨むだけにしといた。
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