死のスケッチブック
「…悪魔に魂を売った気分だ」

「あはは。俺は悪魔じゃないですよ」

「人間でもなさそうだがな」

「………」

真名の言葉に、今度は何も言い返さなかった。

「…では、このスケッチブックですが、今はあなたが主です。イヤでも側にいることでしょうから、解決法が見つかるまでは持っててください」

そう言ってスケッチブックを差し出され、イヤイヤながらも真名は受け取った。

「そしてできれば他の人には触れさせないでください。万が一、あなたよりも強い憎しみを持っている人が触れれば、持ち主はその人になってしまいますから」

「その時にはもう、私の手元にはないと考えていいんだな?」

「そうですね。逆を言えば、何をどうしてもあなたの手元には戻ってこないでしょう」
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