死のスケッチブック
翌朝。

実花の事件のことで、少し休みがちだったので、今日は学校へ行くことにした。

問題のスケッチブックを持って。

念のため、黒のビニール袋に入れて、チャック付の手提げバッグに入れるという、二重の封印をした。

「…頼むから、誰も触ってくれるなよ」

祈る気持ちでバッグを持ち、家を出た。

学校の友達は実花のことを知る人はいない。

だが休んでいた理由は葬儀としていた為、心配顔で迎えられた。

「真名! 大丈夫?」

「もう出てきて平気なの? 具合悪くなったら言ってね?」

「うん、ありがと。もう大丈夫だから」

苦笑を浮かべながら席に着く。

「あっ、もう戻ってきたんだ。オバアサン」

ぴたっと、真名の動きが止まった。

同じく、クラスの空気も凍りつく。

「…おや、新顔か?」

「誰がよ! 少し会わないうちに、ボケたの?」

「生憎と邪魔な記憶は残さない主義なんだ。で、何の用? 伊和未」
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