死のスケッチブック
「覚えているんじゃない!」

ギャル風の格好をしている伊和未は、真名を毛嫌いしていた。

周囲に流されず、それでいてはみ出ない真名に、何かとつっかかる。

「頭の中身はお前より良いからな。それより何だと聞いている?」

「ふんっ。このまま来なきゃ良かったのに」

「残念だったな。お前と違って、真面目に学校に通うタイプなんだ」

「いちいちムカつくわね!」

「お前がつっかかってこなければ、私も言葉を交わさない。面倒だからな」

真っ直ぐに見つめる真名の眼の迫力にびびったのか、伊和未の表情が少し揺らぐ。

「聞いていると思うが、私は葬式疲れが出ているんだ。いつものように、余裕を持ってお前の相手はできない。本気で相手してほしいのか?」

「…ちっ! 行くわよ」
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