死のスケッチブック
お取り巻きを連れて、伊和未は教室を出て行った。

途端に教室の空気も軽くなる。

「真名、出てきた途端、イヤなヤツに声かけられたわね」

「アイツ、真名を眼の敵にしてるから」

「何が不満なのか知ったことじゃないが、うっとおしいな」

不機嫌な顔で言い捨てた真名だが、視線を感じて、その方向を見る。

教室の入り口に、一人の大人しそうな女の子がこっちを見ていた。

だが真名が視線を向けると、すぐに行ってしまった。

「…何だ?」

童顔で可愛いコだった。

しかし、伊和未みたいなタイプには眼を付けられそうなタイプでもあった。

真名は背伸びをし、意識を学校へ向けた。

「さて、今日も一日頑張るか」
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