死のスケッチブック
無事に全ての授業を終え、真名はカバンとバッグを持って帰り道を歩いていた。

しかし予想もしていなかった人物に、声をかけられる。

「こんにちは。今お帰りですか?」

「っ!」

びっくりして振り返ると、魅弦がいた。

「お前…あの店から出れるのか?」

「別にあの店に囚われているワケではありませんから。それより良い知らせです。例の物を無効化する物を手に入れましたよ」

そう言って長方形の箱を見せてきた。

茶色の装飾がされた美しい箱は、大きさとしては筆箱ぐらいだ。

「…随分早かったな」

「知り合いに連絡してみましたら、ちょうど入手していたんですよ。コレもご縁ですかね」

箱を見ながらシミジミと呟く魅弦を見て、真名ははじめて会った時のことを思い出した。
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