死のスケッチブック
だからなのか、真名は人に強く憎まれるタイプではなかった。

しかしそれは逆に、深く愛されること・思われていることがないとも言える。

…が、基本的に面倒な人付き合いを苦手としている為、本人にとってはどーでも良いことだった。

学校帰り、友人達とカラオケに寄った後、家の近所をブラブラと散歩するのが真名の日課だった。

この街には中学に上がった頃に引っ越してきた。

元々マンション暮らしだったが、父親がここに一軒家を建てた。

…までは良かった。

しかし真名が高校に上がる頃、父にアメリカへの海外転勤の話が持ち上がってしまった。

心配する両親を海外にやり、真名一人だけが一軒家に住むことになった。
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