リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・5(野球)
「ごっゴメンゴメン。練習メニューの調整を考えてて、ぼーっとしちゃった」

彼から洗濯籠を受け取り、物干し竿にかけていく。

「増やす気かよ?」

「まさか! テストもあるし、減らすことにしたの。無理は禁物だしな」

「オレはお前の方がムリしている気がするけどな」

「そう?」

「ああ。お前、ノックの練習とか付き合ってくれているし」

顧問がボールを上げてくれて、わたしはある程度の力でバットを振る。

四方八方に散ったボールを、部員達が1つ残さず拾うという練習。

毎日欠かさずやっていた。守備を強くする為に。

わたしの方がバッティングセンスに優れているということで、顧問と副部長に指名されてはじめたことだった。

「うん…。でもホラ、マネージャーの仕事、楽しいし。どうやらわたしに合っているみたい」

部員達のサポートや裏作業は疲れるものの、充実していた。

どんなに疲れてても、イヤになることはないのが証拠だ。

「…ならいいけど。たまには力抜けよな」

「大丈夫よ。あなたが仕事手伝ってくれるおかげもあって、大分楽だから。あなたこそ大丈夫? 練習に手伝いもあって、わたしより疲れているんじゃない?」
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