リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・5(野球)
「オレも別に…」

そう言って顔を背ける。

…何だか前に比べて、ちょっと扱いが難しくなった?

前はよく笑っていたり、話しかけてくれたんだけど、最近はムスッとした顔ばかりされる。

まあわたしも顧問や部長、副部長達と話し合うことが多くなったから、彼ばかり構ってはいられないのが、ちょっと寂しかったりするんだけど…。

「まっまあお互い、ムリせず頑張りましょう! 目指せ、一回戦突破!」

「それが目標かよ! せめて優勝とか言えないのか?」

「ムリな夢は見ないことにしているの」

わたしはあっさり言い切った。

「だから一回戦突破できたら、御の字と思ってね? わたしをマネージャーに選んで良かったって、思わせてみせるから!」

「あっああ…」

ん? 何かイマイチな反応。

彼はわたしの運動神経を見込んで、マネージャーに誘ったのだから、一緒にはりきってくれて良いはずなのに…。

テストや大会を控えて、ちょっと神経質になっているのかな?

いつもの天真爛漫な彼からはちょっと想像できないけど…。

ちなみに彼はバッターで、副部長に次ぐ実力の持ち主。

彼の練習メニューもわたしが考えて、ぐんぐん力をつけている。
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