リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・5(野球)
…ところが、予想以上にヒドイことになっていた。

部室は今まで掃除も洗濯もロクにしていないことがありありと出ていて、部員達も遊び半分になっていた。

こんなんで勝てるワケがない!

わたしは気合を入れ直し、部を立て直すことを決めた。

まずは部室の掃除と、ユニフォームの洗濯からはじめた。

授業が終わった後にチマチマやっていてもしょうがないので、休日に朝から来て、晩まで掃除と洗濯をした。

古いながらも小型の洗濯機があって良かった。

顧問の先生から部費を貰って、洗剤や掃除に必要な物を買い揃えた。

「掃除や洗濯って、大変なんだなぁ」

のん気な声で荷物持ちをしてくれるのは彼だった。

休日に一気に掃除と洗濯をすると言うと、付き合ってくれると言った。

…つまりその間、野球部の練習はないという意味なので、ちょっといろんな意味で泣けた。

でも手伝いは嬉しかった。

重い荷物も、彼は平気な顔をして持ってくれる。

頼もしいなぁと思う反面、その力を野球に注いでほしいという気持ちもある。
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