リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・5(野球)
それから何となく会話は続かなくなって、二人で黙々とお握りを食べた。
「それで用事って何?」
「あ~うん。そうだな」
彼は膝を立て、その上に顎を載せた。視線はグラウンドに向かっている。
「…今、顧問いるかな?」
「確かいる…はず。いろいろ用事があって、休みの日も学校に来なくちゃいけないみたいだから」
「じゃあ、ちょっと行ってくる」
「えっ? あっ、うん」
彼は校舎に向かって歩いて行ってしまった。
「…何だろう?」
何かおかしい。けれどその原因が分かるほど、わたしは彼のことを知らない。
「無限ループだぁ」
彼との関係を考えるたびに、おちいってしまう。
深く息を吐き、わたしもグラウンドに視線を向けた。
誰もいないグラウンド、見慣れているはずなのに、何故か心がザワめいた。
しばらくして、彼が戻って来た。
「お待たせ」
「うん…。どうしたの?」
「あのさ、今から勝負してくんない?」
「…はい?」
勝負? 何か久し振りに聞いた言葉だ。
「お前が球を投げて、オレが打つっていう勝負」
「はぁ…。まあ、良いケド」
わたしが気の抜けた返事をすると、彼は頷き、部室に向かった。
どうやら顧問には部室の鍵を借りに行ったらしい。
バットとグローブを持って出てきた。
「それで用事って何?」
「あ~うん。そうだな」
彼は膝を立て、その上に顎を載せた。視線はグラウンドに向かっている。
「…今、顧問いるかな?」
「確かいる…はず。いろいろ用事があって、休みの日も学校に来なくちゃいけないみたいだから」
「じゃあ、ちょっと行ってくる」
「えっ? あっ、うん」
彼は校舎に向かって歩いて行ってしまった。
「…何だろう?」
何かおかしい。けれどその原因が分かるほど、わたしは彼のことを知らない。
「無限ループだぁ」
彼との関係を考えるたびに、おちいってしまう。
深く息を吐き、わたしもグラウンドに視線を向けた。
誰もいないグラウンド、見慣れているはずなのに、何故か心がザワめいた。
しばらくして、彼が戻って来た。
「お待たせ」
「うん…。どうしたの?」
「あのさ、今から勝負してくんない?」
「…はい?」
勝負? 何か久し振りに聞いた言葉だ。
「お前が球を投げて、オレが打つっていう勝負」
「はぁ…。まあ、良いケド」
わたしが気の抜けた返事をすると、彼は頷き、部室に向かった。
どうやら顧問には部室の鍵を借りに行ったらしい。
バットとグローブを持って出てきた。