リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・5(野球)
部室の中はまだゴチャゴチャなので、外で食べることにした。

お弁当はお握りや卵焼き、唐揚げなど普通のメニューだけど…。

「うん! 美味いな」

彼はニコニコとパクパク食べてくれた。

天気が良いし、体を動かした後だから、余計にお腹が減っていたんだろう。

「ねぇ、練習メニューのことなんだけどさ」

「うん?」

「変えない? 正直言って、一回戦負けの常連校なんて情けなすぎるし」

「うぐっ!?」

ノドに食べ物を詰まらせた彼の背中を、トントンと叩きながら続ける。

「練習の気合の入れ具合も、正直言って甘いし…。良かったら練習メニューとか、わたし決めようか?」

「でっでも野球に詳しいのか?」

「バカにしないでよ! わたしを野球部に誘ったのはあなたでしょう? ちゃんとルールも覚えました!」

マネージャーになると決めた時には、顧問にお願いして野球のルールブックを借りた。

そして一生懸命に覚えた。

今まで野球にはあまり興味を持っていなかったけど、ルールを覚えるとなかなか興味深かった。

「テレビも見るようになったし、部員のみんなのこともちゃんと見てるんだから! だから練習メニュー、わたしに任せてくれない?」
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