リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・5(野球)
「オレはいいと思うけど…。でも部長が頷かなかったら、多分ムリだぞ?」

「それは大丈夫♪」

わたしはニッコリ微笑んで見せた。

「秘策があるの。部長はピッチャーよね?」

「うっうん」

「じゃあ、簡単に投げた球を打たれちゃイヤよね?」

「あっああ」

そこまで言って、彼は何となく悟ったらしい。

ハッとした顔で、みるみる複雑な表情を浮かべる。

「お前…まさか」

「ええ、わたしの練習メニューに反対するなら、するだけのことをしてもらいましょう!」

わたしは意気揚々と拳を空に向けた。

「とは言え、まずは掃除と洗濯ね。洗濯は何とか今日中に終わりそうだけど、掃除はやっぱり明日もやらなきゃ」

「オレの方は何とか今日中に終わらせるよ。そしたら明日の掃除は手伝ってやれるし」

「それは嬉しいけど…。でも掃除より、野球部のバットやボール、グローブを磨いてほしいなぁ」

「うっ…!」

「部費がそんなにないから、ボロいのはしょうがないけど。汚いのはどうにかしてもらいたいわね」

「わっ分かったよ。そっちの方が慣れてるし、明日はそっちをやる」

「うん。お願いね」

お互い、慣れてることをやった方が効率が良い。
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