それぞれの恋の物語
「・・・何か用か


・・・雪華なら、向こうに居るだろう?」


雨華は身体をもらった後、溜まり場を後にしようとしていた


遮ったのは、聖


「えっ・・、いや・・・あの」


「何だ」



きっぱりという雨華


「・・・また来てくれるか?」


「何故?

私には行く理由がない」


聖は、雨華が気になったからこそ追いかけたのだ


用があったわけではないので、急な雨華の問いにちゃんとした答えを導き出すことが出来なかった



「・・・俺が単に、君に来て欲しいからじゃ、駄目かな?」


「・・・私はここにはきたくない

結局私は、闇の中に居る方がいいんだよ」



どうしてそんな顔するんだよ


どうしてそんなに自分を責めるんだよ

俺を頼ってよ


独りで何もかも抱え込まないでよ・・・



聖はそう言おうとしたのをグッとこらえた


初めてあった相手に言う言葉ではないと思ったからだ



「じゃあ、もしも俺が君のこと好き、って言ったらどうする?」


「どうもこうもしない

・・・それに、今日初めて会った相手と恋なんてするか?」


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