それぞれの恋の物語
―――翌日


「雨華、こっち!」


・・・何と言うことだ


私が昨日、この日を楽しみにして雪華からあらゆるものを準備して貸してもらうとは・・・



「・・・・・・」


「何だ」


ジーっと私の顔を見つめてくる聖に聞いてみた



「・・・いや、可愛いなと思って」


「なっ////」


よくもまぁ、そんな台詞が恥ずかしげもなく言えるものだな


・・・ゴクッ


無意識に、唾液を飲む




ハッ

・・・何ということだ


また、飲みたいと思ってしまったのか?


私という「ヴァンパイア」は・・・


「じゃ、行こう?」


そっと手を伸ばしてくる


「?」

私はその意味をわからずに首を傾げた


「・・・手、繋ごう?」


「何だ、そんなことか


ほら」


私と聖は、手を繋ぎながら人ごみに紛れていった・・・


< 6 / 8 >

この作品をシェア

pagetop