秘密
◇第7話◇
◆◆◆
「あ。兄貴、どっか服買える店寄って」
「何お前?服買うの?」
「俺のじゃないよ、母さんに」
「母さんに?ああ、母の日?」
「…うん」
「はは。珍しいな、茜がそんな事考えるなんて、俺も用意してなかったし、ちょうどいいや俺もなんか買お」
そう言って兄貴は俺の地元にある大型ショッピンクモールへと車を走らせた。
少し薄暗くなりかけてたけど、土曜日のモール内の駐車場は、まだまだ沢山の車で埋め尽くされていた。
田舎で何もない所だけど、ここに来れば映画館や綜合アミューズメントパーク、飲食街、様々なショップ、家電量販店、全国チェーンの大手スーパー等が建ち並び、一つのちょっとした街になってる。
週末等は家族連れや、カップルで賑わう。
まあ、田舎にはよくある郊外型のショッピンク施設みたいなモンだ。
何とか空いている駐車場に車を停めて、車を降りると奏は、はしゃいだような声を出す。
「わぁ。広い駐車場だね?遊園地みたい」
今俺達が住んでる街は、ごちゃごちゃとしていて、これだけ広い駐車場はまず無い。
「行こうか?」
奏に手を差し出すと、
「…うん」
うつ向き、遠慮がちに指を絡めてきた。
どこまでも可愛い仕種の奏の破壊力に頭がクラリとしてしまう。
「…おいおい…二人とも、俺が居ること忘れてんだろ?ピンクのオーラが出てるよ?」
「あ。兄貴、居たの?ははは」
「全く…ほら、行くぞ」
先にズンズンと歩く兄貴。
羨ましいか?ざまみろ。
「佐野君。お母さんに洋服買うの?」
「うん。奏と一緒に選ぼうと思って、俺じゃ女物の服なんてわかんないし」
「佐野君がくれる物なら、お母さん、なんだって嬉しいんじゃないかな?」
「そうでもないぞ、気に入らなかったら、気に入らないってハッキリ言うぞ?うちの母さんは」
「え?そうなの?」
「うん、前に誕生日に赤い帽子プレゼントしたら、こんな派手な帽子かぶれるかって言われた、それから母さんには何もやってない」
「…なんか、責任重大だな…」
「奏が撰んでくれたら間違いないよ、俺、センス無いんだよ、ははは」
「…頑張って選ばなくちゃ」
と、絡めた指に力が入る奏。
「あ。兄貴、どっか服買える店寄って」
「何お前?服買うの?」
「俺のじゃないよ、母さんに」
「母さんに?ああ、母の日?」
「…うん」
「はは。珍しいな、茜がそんな事考えるなんて、俺も用意してなかったし、ちょうどいいや俺もなんか買お」
そう言って兄貴は俺の地元にある大型ショッピンクモールへと車を走らせた。
少し薄暗くなりかけてたけど、土曜日のモール内の駐車場は、まだまだ沢山の車で埋め尽くされていた。
田舎で何もない所だけど、ここに来れば映画館や綜合アミューズメントパーク、飲食街、様々なショップ、家電量販店、全国チェーンの大手スーパー等が建ち並び、一つのちょっとした街になってる。
週末等は家族連れや、カップルで賑わう。
まあ、田舎にはよくある郊外型のショッピンク施設みたいなモンだ。
何とか空いている駐車場に車を停めて、車を降りると奏は、はしゃいだような声を出す。
「わぁ。広い駐車場だね?遊園地みたい」
今俺達が住んでる街は、ごちゃごちゃとしていて、これだけ広い駐車場はまず無い。
「行こうか?」
奏に手を差し出すと、
「…うん」
うつ向き、遠慮がちに指を絡めてきた。
どこまでも可愛い仕種の奏の破壊力に頭がクラリとしてしまう。
「…おいおい…二人とも、俺が居ること忘れてんだろ?ピンクのオーラが出てるよ?」
「あ。兄貴、居たの?ははは」
「全く…ほら、行くぞ」
先にズンズンと歩く兄貴。
羨ましいか?ざまみろ。
「佐野君。お母さんに洋服買うの?」
「うん。奏と一緒に選ぼうと思って、俺じゃ女物の服なんてわかんないし」
「佐野君がくれる物なら、お母さん、なんだって嬉しいんじゃないかな?」
「そうでもないぞ、気に入らなかったら、気に入らないってハッキリ言うぞ?うちの母さんは」
「え?そうなの?」
「うん、前に誕生日に赤い帽子プレゼントしたら、こんな派手な帽子かぶれるかって言われた、それから母さんには何もやってない」
「…なんか、責任重大だな…」
「奏が撰んでくれたら間違いないよ、俺、センス無いんだよ、ははは」
「…頑張って選ばなくちゃ」
と、絡めた指に力が入る奏。