秘密
◆◆◆
観覧車はカタカタと音を経ててゆっくりと上っていく。
そろそろ頂上に届く頃の薄暗くなりかけている空の色は。
茜と青と紫と。
綺麗なグラデーションで夜と昼の境目を、上と下とで複雑に混ざり合いなから、一日の終わりを告げようとしているようだった。
「佐野君?」
俺の膝の上に座り、肩に頭を預けている奏がそう言うと。
「ん?」
奏の頭に頬を寄せている俺は、そこに何度目かのキスを落とす。
「海が見えるね?」
「え?…あ…ホントだ」
見るとくっきりと湾が見渡せて、向こうの水平線は朱色に染まっていた。
「綺麗だね」
「うん」
「今日は楽しかったね」
「うん」
「終わらせたくないね」
「うん」
視界が開けて辺りには何もなく、そこには俺達二人だけの空間になった。
「…頂上だね」
「…うん」
お互い見つめ合い自然と引かれ合う。
触れ合う唇はただお互いだけを求めていて、それ以外は何にもいらなくて。
このまま時が止まってしまえばいいのにとさえ思えてくる。
頭の奥が痺れてしまったような、目眩がする感覚に陥る。
……奏…
この先もずっと……
−−ガタン!
「!ひゃっ」
「!っ」
頂上独特の観覧車が揺れる軽い衝撃が俺達を現実に引き戻す。
「びっくりしちゃった…」
「…俺も」
目を合わせると、自然と二人笑いが溢れた。
「奏のテトリス、驚いた」
「えへへ、あれだけは得意なんだ」
「何?あの手の動き?ギヤラリー背負ってたし、はは」
「あれは私も驚いた」
「美樹ちゃんもあんなキャラだっとは…」
「美樹ちゃんは元々負けず嫌いだよ?佐野君の方こそ…」
「え?売られた勝負は買うだろ?普通」
「そうなの?」
「うん」
なんて。
下りは会話しながら下りていって、短い二人の空間は終わりに近付く。
「また来ような?」
「うん。また来たい」
観覧車を下りると、空はすっかり星空になっていた。
観覧車はカタカタと音を経ててゆっくりと上っていく。
そろそろ頂上に届く頃の薄暗くなりかけている空の色は。
茜と青と紫と。
綺麗なグラデーションで夜と昼の境目を、上と下とで複雑に混ざり合いなから、一日の終わりを告げようとしているようだった。
「佐野君?」
俺の膝の上に座り、肩に頭を預けている奏がそう言うと。
「ん?」
奏の頭に頬を寄せている俺は、そこに何度目かのキスを落とす。
「海が見えるね?」
「え?…あ…ホントだ」
見るとくっきりと湾が見渡せて、向こうの水平線は朱色に染まっていた。
「綺麗だね」
「うん」
「今日は楽しかったね」
「うん」
「終わらせたくないね」
「うん」
視界が開けて辺りには何もなく、そこには俺達二人だけの空間になった。
「…頂上だね」
「…うん」
お互い見つめ合い自然と引かれ合う。
触れ合う唇はただお互いだけを求めていて、それ以外は何にもいらなくて。
このまま時が止まってしまえばいいのにとさえ思えてくる。
頭の奥が痺れてしまったような、目眩がする感覚に陥る。
……奏…
この先もずっと……
−−ガタン!
「!ひゃっ」
「!っ」
頂上独特の観覧車が揺れる軽い衝撃が俺達を現実に引き戻す。
「びっくりしちゃった…」
「…俺も」
目を合わせると、自然と二人笑いが溢れた。
「奏のテトリス、驚いた」
「えへへ、あれだけは得意なんだ」
「何?あの手の動き?ギヤラリー背負ってたし、はは」
「あれは私も驚いた」
「美樹ちゃんもあんなキャラだっとは…」
「美樹ちゃんは元々負けず嫌いだよ?佐野君の方こそ…」
「え?売られた勝負は買うだろ?普通」
「そうなの?」
「うん」
なんて。
下りは会話しながら下りていって、短い二人の空間は終わりに近付く。
「また来ような?」
「うん。また来たい」
観覧車を下りると、空はすっかり星空になっていた。